つま(妻)、けん、辛味の三種
Written by 和食処はなあじ on
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つま(妻)は、褄とも書く。料理のあしらいとして添える物のことである。刺身などのつまを「けん」とも呼ぶ。間か景の訛かとも言われてるが確かな字はわからない。つまをさらに分類すると、けん、つま、辛味の三種となる。
Contents
けん、つま、辛味の三種
主に使われる食材
けん
白髪大根、胡瓜、独活の繊切り、オゴノリなど「しきづま」とも呼ばれる。
つま
芽紫蘇、穂紫蘇、防風など前盛りとしてあしらうものである。
辛味
山葵や生姜など。
けんは、時代と共に変わっている。
たとえば、享保一五年の『料理網目調味抄』の刺躬の部では、「権」と書かれ、シソ、タデ、ハジカミなどのことになっており、明和(一七六四~七二)頃の資料には、権は俗に見の意味と解説されている。見るものと考えられていたのがわかる。寛永二十年では、けんは、よりがつほ、くねんぼ、みかん、きんかんとなっている。この頃けんは、食べものであったと思われる。
「つま」として用いられる文字は、交、妻、具などで、具(つま)には大具(おおつま)と小具(こつま)があった。交というと、取合せせ、あしらい物のことである。配色(つま)とも書く。妻は、「その時の景物よし」ともいい、ヤマイモ、ノリ、青麦などをよんでいる。つまとは添え加えるものの意である。